子麻呂　鷹見の小説日記(On My Load)

On My Load 第24話

午前１０時にカメラマンの平田さんが到着した。

一ヶ月ちょっとの間だけれどもよろしくね。

そうそう、上から言われているかもしれないけれど、

なるべく自然体でお願いしますね。

そうじゃなくちゃ、サクセスロードの

ドキュメンタリーとして成り立たないから。

名無しの彼女が質もーん。と声を上げた。

どこまでカメラが入るの。トイレとお風呂、

寝る時以外は、ほとんど回してるから。覚悟してね。

ヒート君、ユニットとしての方向性は

アンドリューが最初に言った『ブラック＆ホワイト』だから、


それにあったジャケシャ用の服装選びに、

悪いんだけど、早速僕と名無しさん三人で、

六本木ヒルズにある、アルシュエティーの

本社企画開発室につれていってあげますから、

色々のコンセプトの服装を用意しているから、

試着してみてくれと言われているので、

みなさんお願いします。

じゃあ、マキ留守がてら、平田さんの荷物部屋に置いたら、

名無しの普段着を近くのスポーツショップで

ジャージやスウェットスーツを買っておいてくれないか。

そうそう、スタジオシューズとランニングシューズも頼む。

平田さんの車で僕たち二人は

一路アルシュエティーに向かった。

どうにでもなれとまな板の上の鯉の気持ちで

なかばくさくさしている自分が嫌だった。