February 12, 2007

On My Load 第45話


朝日を浴びながら、自転車で二人街中を駆けぬける。

久しぶりに、青空と澄んだ空気を思いっきり吸いながら、

童心にかえったように

自転車のベルをチャリンチャリン鳴らしながら、

スタジオまで泳いでいるかのようにとても

軽くスイスイ足がはこんだ。

名無しの彼女も笑みをうっすら浮かべながら、

鼻歌を口ずさんでいた。

春の風が吹き始めた頃でもあった。

スタジオに着くとあたしみんなに謝ってくる。

そう一言口走るとすぐに、ドアの奥に消えていった。

僕はしばし空を見上げながら、

ふぅーと大きな深呼吸をした。

それはまるで今までの閉塞感を打破するべく、

決心した瞬間でもあった。

名無しを守っていこう、そして、

必ず日の当たる場所に立たせてあげるのだと。

つまらない根性は捨てよう。

先にあるものがなんだろうが、

君を信じなくて僕の人生は無いのだと。

お互い欠けたピースの穴が埋まる一欠片なのだと、

手放しちゃいけない存在。

君が僕で、僕が君の太陽であり、

月でもあるのだと。ヒートなにやっているの・・・

マキが呼んでいる。さあいくか。


Posted by t-komaro at 19:13:29 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks
DISALLOWED (TrackBack)