February 09, 2007

On My Load 第42話


夜になっても、

名無しの歌とダンスのレッスンに余念がない。

さすがの、バンドメンバー達も、少しやすもや・・・。

とぐちをこぼす。

名無しは、自分の可能性がこんなものじゃないと、

自己のブレーキが外れたかのように、

体を痛めつけている。

ボイトレの先生もちょっといじめすぎね。

と僕(ヒート)に宥める様にと、視線をおくる。

僕は、名無しに、焦っても良いことないよ。

今の体調をキープするのもプロの仕事だから。

今日は、休んで。みんなも疲れているしね。

名無しは、みんなだらしないわね。

それでもプロなの!!。と声を荒げて言う。

私はもっともっと、旨くなりたいのよ。

じゃましないで・・・。いいかげんにしろよ。

と僕(ヒート)が大声で彼女の手を握りしめて、

静止させた。

君のワンマンショーじゃあないんだぞ。

少し上手になったくらいで、天狗になるなよ。

休まなくちゃ、大事な声帯がつぶれちゃうじゃないか。

そんなことも判らないのか。

君一人で動くんじゃなくて、

チーム全員で動いているんだぞ!!

名無しは目を真っ赤にしながら、

歯軋りしてくやしそうだった。

二人で日のあたる場所にいくんだろ。僕を信じて。

と彼女をそっと両手で、抱きしめた。

名無しは、僕の手の中で泣き崩れた。


Posted by t-komaro at 19:18:23 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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