December 02, 2008

On My Load 第73話


名無しが早くぅぅ・・・

そそくさにヘッドホンを両耳にやると、だめだよ、ヒート。

まだ暗いじゃん。それにこの曲の歌い方じゃあないよね。

もっとストリングスのようなそれでいて、

中田ヤスタカみたいなロボットボイス的な

POP路線じゃあなくちゃあだめだよ。

二人の曲なんだから、私もコーラスで少しはもるから、

なんとかしてよーーー。。。

分かったよ。でも時間がなぁ・・・あっそうだ、

家のスタジオにある、V―Synthを使えば

なんとかなるかもしれない。

みんなには、必ず間に合うように行くから

先に行ってくれと伝えておいてくれ。

僕はガレージの車に乗り込むと、

久々に自宅のスタジオおの倉庫へ

車をはしらせていた。

なんとしても名無しの思いを組んでやらないと・・・・

僕のパートナーなのだから。

ライブで一発勝負だ!!。

名無し達はすでにHOTHEADに到着して、

パスカードも貰っていた。待合室で、

本番の出番まで、30分切ってます。

そろそろ機材の準備をお願いします。

マキが兄貴はなにやっているのぉぉぉっぉ。

携帯で怒鳴ると、今、後10分程度で着く。

名無しの機材のチェックは、マキにお願いする。

後、名無しが歌った後僕と名無しで、新曲を歌う。

データーは、IBMのノートにシーケンスデーターがある。

midi設定をしておいてくれ。

マイクと前面のキーボードは、

今、V―Synthを運んでいるので、

着いたら即セットアップしてくれ。お願いする。

名無しさん、そろそろUPをお願いします。

そこへヒートが。ヒートったら大丈夫なの。

はぁはぁはぁ・・・・お待たせ。

ヒート。みんなが一斉に声をかけた。

話は後だ。ライブを見てくれ。

僕は、名無しと共に、HOTHEADのステージに立った。

まぶしいスポットライトが、今から始まる、

僕らの時間をいやおうなしに、かき立てていた。

さぁ、行くぞ!!

名無しは初めてとなるお客様の前でのまばゆさに、

ヒート・・・一人じゃあないんだよ。自分を信じて。

さあ、行こうか。

ステージが始まった。

名無しが、ユニットの【On My Load】です。

聴いてください。

‘Like is doubing Mix’
そして、‘Summer time be Blue’です。

よろしくね。

名無しが目で合図する。

よし、いっちょおっぱじめるか。本番がスタートした。

たった10分のステージ。

それでも名無しは、僕の操る、

KORGのパッドとショルキーに合わせて、

サンプリング音と旨くコラージュしてくれた。

僕もパフォーマンスで応援する。

リハにはなかった、名無しの歌人としての顔がそこにはあった。

そして問題の2曲目。

僕、ヒートがボーカルで、名無しがサポートではもりに入る。

練習無し。一発勝負だ。

僕は、おもむろに、V―Synthに立ち、

マイクをセッテイング。ノートのシーケンサーを走らせた。

切ないリズムから、歌へ入って行く。

僕自身もこんな人前で自分で歌うのは初めてだ。

だけれど隣に相棒が居る。

それだけで、勇気100倍だから。

失敗してもかまわない。

同じ目標に向き合っていること。

これこそがなによりの幸せだと。

体感している。それにしても2度しか聴かせてないのに、

名無しは、いい感じで、はもってくれている。

素直に嬉しいとともに、自分の歌唱力の無さに、

やはり僕は、コンポーザーだなーと再確認した。
>Summer tme be Blue-verTKを聴く


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October 28, 2008

On My Load 第72話


えーつまんなぁーぃぃぃ。

私には、ちょっぴし聴かせてよ!!。おねがいぃぃ。

じゃあないとみんなにいいふらしちゃうよーーだ。

だだこねるなよ。みんなに聞こえるじゃあないか。

わかったわかった。僕が、口が軽かったのが

そもそも悪いんだよね。

いいかい、iPodで聞かせるから。

ヘッドホンをして。いくよ・・・・・・・

ワン・ツウ・スリー・やめた。ヒートって意地悪。。。

そんな陰険な人だったとは

もうだいきらい。ぷんぷん!!。ごめん。。。ごめ。

じゃあもう一度。いくよ。

曲を聞き入る名無し・・・

ヒートこれまじ暗すぎ。

それに間奏っていうか、ブレイクポイントがないよ。

こんなのだめだめ。。。造り直し。

厳しいなぁ、、名無しは・・・・。

よし、後、数時間あるから、それ位の手直しなら、

いっちょやってみっか。

今度のは、出来たら発表する前に名無しに聴かせるね。

お昼には、ここを出るから、

午前11時45分。

ガレージの倉庫に一人で気づかれずに着てくれ。

それまでには、仕上げとくから。

いいね。約束よ、ヒート。

僕は、みんなに知られないように、

部屋に、ラップットップPCを持ち込み、

ポータブルキーボードで打ち込みし直した。

ボーカルは再度とれないので、ピッチコントロールで

何とか補正しながら、作ってみた。

出来辺りばったり感は否めないが、

わずか数時間での仕上がりにしては

がんばったほうだと、自分自身、認めたいものだ。

名無しが待っている。

僕は、WAVに書き出すと、

タスカムのDR―1に入れて、

名無しの待つガレージへと、小走りに駆けていった。

これはまだ未完であり、

これから二人が目指す方向性を探る第一歩なのだと。

未知なる物の誘いの音色が

聞こえてくれればよいのだが・・・・・・ >Summer time be Blue featがくぽっどVer2 を聴く


16:55:11 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

October 14, 2008

On My Load 第71話


明日は、HOTHEAD当日だが、

名無し。君に伝えておきたいことがある。

実は、HOTHEADは二曲までエントリー可能なんだよ。

そこでもう一曲、僕は、君に捧げる曲を作ったんだ。

当日、僕のソロで歌う。

きみへのメッセージソングだ!!。(Summer time be Blue)

君一人じゃあない。

二人で立つこと。

それが、今の僕が君にすることだから・・・。

お互い共有する存在。連鎖反応して、

会場を沸かせようじゃあないか。怖いのは二人一緒さ。

大丈夫。。。何があっても、その手を離しはしないよ。

がんばろう。そうそう、この事は、当日まで内緒だよ。

僕の曲は、すべて、打ち込みでやるから。

みんなへのサプライズさ。楽しみにしておいておくれ。 >Summer time be Blueを聴く


12:51:12 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

August 16, 2008

On My Load 第70話


携帯を握り締めたまま、

ヒートは、歯を食いしばりながら、一言、俺って・・・

左の頬を温かい滴が、ぽたぽたと地面にこぼれ落ちていた。

逃げちゃあだめだ!!逃げちゃあだめだ!!

僕は死んではいない。

必要とされている。だからこそ苦しまなければならない。

人と関わる事。世間に出ること。

そして人として愛せる事。

過去から否定してきた、

触れたくなかった事柄に気づいたとき胸の底から

溢れ出す裸の自分。温かいんだ、僕は。。。。

こんなにも・・・・ココロが・・・

モノリスの扉が開いたかのような、

なんとも言いがたい高揚感。

初めて生きている事の素晴らしさと苦悩。

SとMが入り混じる自分史。

【On My Load】そうなんだ!!

ちゃりを走らせスタジオへ。

みんな!!お願いします、僕ともう一度やらせてください。

名無しがお帰りと笑って迎えてくれた。

それからの一週間は、怒涛のごとく過ぎ去っていった。

名無し・マキ・みんなありがとう。

これでHOTHEADに出場する。

僕の体に光臨のような光の道すじがスーと駆け抜けていった。
>Like is doubling Mix を聴く


08:53:23 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

August 15, 2008

On My Load 第69話


どうだったの・・・とマキや名無しが尋ねるが、

ヒートはありのまま話したが、

マキ達はひとまずほっとした様子だったが、

僕は少し一人にさせてくれと。

スタジオを自転車で走りだすと

ふとあの公園のブランコの前に立ちすくんでいた。

ここで名無しに誓ったこと、

果たせるのだろうか・・・いや、

今の自分は自分なのだろうか。

当たり前のことだが、音楽いや生きる事に

ゴールはないのだと、ただ終焉が待ち構えてるだけ。

それでも人は、常に過去より今、今より明日、

前に進めているかどうかで人生が変わるものだと。

分かっている。分かっているけれど、

過去の全てを出したのに、今、答えが出せない。

結果が全てと思い続けてた自分に、アンドリューは、

問いをなげかけてきた。

新たな答えってなんなんだ。

携帯の着信音が流れて来た。

アンドリュー氏からだった。

ヒート君。名無しさんから聞きましたよ。

悩むのは結構ですが、大人として、

逃げ出さないでください。

僕も影ながらサポートしますしね。

早速ですが、スタジオのPCに、

こちらで作った、【Like is】という楽曲が

転送してあります。コンテストの予選が来週末なので、

その曲を元に再構築して、楽曲を作ってください。

それで予選本番に出場してくださいね。

貴方のリミックスセンスは期待していますから。

そうそう、名無しさんには、

元曲の歌詞とオケをマキさん経由ですでに届けてあります。

時には行動するのみが勝負の時があるんですよ。

人生の先輩としての言葉です。

と言い放ち終話のコールだけが響いていた。


21:30:38 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks