May 13, 2007

On My Load 第56話


ヒートがスタジオに着くと

マキが、セッテング完了よ。

バンドのメンバーも今夜は徹夜するぜ!!。と勇ましい。

僕は、まずリズム隊にデモオケのクリックを聞きながら、

生音とシンセ音を差し替えて、

どうなるか、試してみる。

実際の物は、コンピューターの

ソフトシンセで鳴らす予定だが、

ライブ演奏で実際にやることも考えて、

生テイクを考えてみる。

ドンカマはきちっとタイトでお願いします。

ベースは、少々前のめりで、

動いてください。コンソール越しで指示を出しながら、

あれこれテイクを録ってみる。

開始から、三・四時間、ゆうに、百テイクを超えていた。

良し今日はこれまで。また明日がんばれるように、

仮眠をとっておくれ。

僕は、別ブースで、ボーカルレッスンしている、

名無しの仕上がり具合を、ボイトレの先生から、話を聞く。

まぁ、7割り、8割りでしょうか。まだ荒削りですが、

可能性が見えます。と、

僕は、名無しのレッスンテイクのデーターを

メインスタジオのコンソールに持っていって、

あれこれと、試行錯誤をしながら、

1パーセントのヒラメキに賭けている。

まるで、サハラサバクの中からダイヤの指輪を

さがすかのような、

bitのマジックに脳のアドレナリンを

下垂体が欲しがるように、ある種の陶酔感に、

2001年宇宙の旅のラストを体感しているのか、

もう一人の自分が舞い降りていた。

ふと朝日の木漏れ日が刺してきたので、

時計を見ると。午前6時をまわっていた。


20:55:12 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks