February 11, 2007

On My Load 第44話


二人は朝まで話し合った。

こんなにお互いの事について、

話し合うことが今まであっただろうか。

名無しの事をある種、かわいそうな子として、

見てきた自分が、間違っていたというか、

自分の感覚の狭さに嫌気が刺すと同時に、

人それぞれの人生と価値観、

単純に尺度だけではかれない、

人の心は、深海よりも深くて、青空のさきよりも、

遠い神のみぞ知る領域なのだと、

それを埋めるべく人には言葉が有り、

考える頭脳が備わっているのだと。

でも、それも心の気持ちを補完するには足りない。

触れ合う事で動物的官能がエクスタシーを満足させる。

その二つがバランスよくいかないと人間はストレスで爆発する。

名無しの気持ちも痛いほど分かったし、

僕も自分に素直じゃあなかったんだと。

もう少しで、大切なものをなくすところだった。

だからごめん。

今はそれしか言えないけど、そばに居るから。

頼ってくれ。精一杯の気持ちだった。

木漏れ日から、朝日が昇りはじめた。

二人であの所まで、上り詰めようね。

とかたい握手をして、誓い合った二人がそこにはいた。


20:08:03 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks