January 26, 2007

On My Load 第28話


地上に降りると平田さんが待ちくたびれていた。が、

名無しの彼女が、たまには歩いて帰りましょう。

デートもできるね(笑)。僕は、彼女に腕をひっぱられて、

それじゃあ平田さん。こういうことだから、

先に帰っていてください。ごめん。ごめん。

平田さんの怒った顔を横目に、

彼女はさっさかさんと、歩き出した。

そして僕にやっと二人きりになれたね。

最近色々あったから、淋しくしているんじゃないかと

あったっているでしょう。

僕は、ドキリとしながらも、内心身体は喜んでいる。

男とは単純な生き物だ。

やっぱし今の君が一番自然でいいよ。

昼下がりに名無しの彼女と歩くのは、

もしかしたら初めての経験かもしれなかった。

甘酸っぱい、春一番が吹いたような気持ちになった。

どこへ行く。と僕が切り出すと、

上野動物園と子供みたいな反応が返って来た。

久しぶりに子供になろうじゃないか。

と、最寄の駅に駆け込んだ。


20:23:39 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks