January 24, 2007

On My Load 第26話


一連の会議が終わった後、僕と彼女は、

今回のパリコレのコンセプトに基づいた

デザインの服を着る準備に

デザインルームで試着した。

チーフデザイナーの方から

何か注文はないかと問うので、

彼女がぽつりとはっした。ねえ、

どうしてここにラインが無いの・・・と。

あまりにもシンプルすぎて、

赤の線がここにすーとはいってたらいいんじゃないの。

デザイナーは分かりました。

ご希望にそえるか分かりませんがお承ります。

と言った。僕は彼女のセンスに脱帽した。

でも彼女にしてみれば、

一流の張ったりだったのかもしれない。今まで

彼女はそうして難関をくぐり抜けてきたのだから・・・

僕は、キーボードが弾きやすいように、

もう少し動きやすくして欲しいと謙虚に

注文した。何着か試着したが、

改めて彼女がどれもいとも簡単に

着こなしてしまうことにいっしゅの

センスというか技能にぽけーーと

見とれてしまう自分に何も知らないんだ・・・僕は・・・

と今までの僕の彼女に対する視野の狭さに

彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


19:20:49 | t-komaro | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks