子麻呂　鷹見の小説日記(On My Load)

On My Load 第18話

音の原石は、ＮＹ・香港・北京・ソウル・インド・

果は南極大陸近くの船からも送られて来ている。

僕の部屋はさながら世界中の空気の渦に

飲み込まれた感覚に襲われる。

その音の洪水から、「１／ｆゆらぎ」

の太古から続く永久のリズムが人の芯に突き刺さる。

これだ！！これ！！マキも感じるだろう。

何だか忘れかけていたとても懐かしい優しさ・・・

ふとマキがこれって胎児の時に感じる母親の優しさと

同じじゃない。僕は早速、

集めた音の中からキーとなる周波数だけ抜き取って

シンセサイザーのパッドの音色に置き換えてみた。

それは、今まで聴いたことの無い機械が奏でるはずがない

神秘的な音調で奏でられている。

そこにさらに人の声音を重ねていった。

なんという倍音だろうか。

７オクターブのマライヤ・キャリーも

真っ青な重厚で圧倒的な存在感。

それでいて、美しいハーモニー。

これだよ求めていた音の宝石。

母なる地球・命の源。まさに日本の美、

象徴としての母親観にぴったしだ。

いけるぞこれは・・・マキ。

待ってろよ御曹司最高の舞台にして見せるぜ！！