August 16, 2008

On My Load 第70話


携帯を握り締めたまま、

ヒートは、歯を食いしばりながら、一言、俺って・・・

左の頬を温かい滴が、ぽたぽたと地面にこぼれ落ちていた。

逃げちゃあだめだ!!逃げちゃあだめだ!!

僕は死んではいない。

必要とされている。だからこそ苦しまなければならない。

人と関わる事。世間に出ること。

そして人として愛せる事。

過去から否定してきた、

触れたくなかった事柄に気づいたとき胸の底から

溢れ出す裸の自分。温かいんだ、僕は。。。。

こんなにも・・・・ココロが・・・

モノリスの扉が開いたかのような、

なんとも言いがたい高揚感。

初めて生きている事の素晴らしさと苦悩。

SとMが入り混じる自分史。

【On My Load】そうなんだ!!

ちゃりを走らせスタジオへ。

みんな!!お願いします、僕ともう一度やらせてください。

名無しがお帰りと笑って迎えてくれた。

それからの一週間は、怒涛のごとく過ぎ去っていった。

名無し・マキ・みんなありがとう。

これでHOTHEADに出場する。

僕の体に光臨のような光の道すじがスーと駆け抜けていった。
>Like is doubling Mix を聴く


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August 15, 2008

On My Load 第69話


どうだったの・・・とマキや名無しが尋ねるが、

ヒートはありのまま話したが、

マキ達はひとまずほっとした様子だったが、

僕は少し一人にさせてくれと。

スタジオを自転車で走りだすと

ふとあの公園のブランコの前に立ちすくんでいた。

ここで名無しに誓ったこと、

果たせるのだろうか・・・いや、

今の自分は自分なのだろうか。

当たり前のことだが、音楽いや生きる事に

ゴールはないのだと、ただ終焉が待ち構えてるだけ。

それでも人は、常に過去より今、今より明日、

前に進めているかどうかで人生が変わるものだと。

分かっている。分かっているけれど、

過去の全てを出したのに、今、答えが出せない。

結果が全てと思い続けてた自分に、アンドリューは、

問いをなげかけてきた。

新たな答えってなんなんだ。

携帯の着信音が流れて来た。

アンドリュー氏からだった。

ヒート君。名無しさんから聞きましたよ。

悩むのは結構ですが、大人として、

逃げ出さないでください。

僕も影ながらサポートしますしね。

早速ですが、スタジオのPCに、

こちらで作った、【Like is】という楽曲が

転送してあります。コンテストの予選が来週末なので、

その曲を元に再構築して、楽曲を作ってください。

それで予選本番に出場してくださいね。

貴方のリミックスセンスは期待していますから。

そうそう、名無しさんには、

元曲の歌詞とオケをマキさん経由ですでに届けてあります。

時には行動するのみが勝負の時があるんですよ。

人生の先輩としての言葉です。

と言い放ち終話のコールだけが響いていた。


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